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爽快感があるメタルギア ライジング リベンジェンス 4.このストーリー、なぜ、心に残らない [PS3 メタルギア ライジング リベンジェンス]

『メタルギア ライジング リベンジェンス』をプレイして、映像的には、様々な角度から切れる 『自由切断』、敵の内部部品を抜き取る 『斬奪』、巨大ロボットとの戦いでも迫力があり、できそうでできないようなことをやり抜いたような印象があり、技術の高さが伺えるのだが、肝心のストーリーが、どうも薄い。

薄いというか、ドラマティックさを全く感じられなかった。それは、それぞれのシーンで、それらしい演出をしているのだが、どこかで見たようなものばかりで、流れとしてのかみ合わせも良くない。

盛り上がるシーンが、いくつかあり、それがポイントなのだが、浮いてるような、歯切れの悪さがある。物語としてのまとまりが悪く、違和感があり、展開にも、中途半端さがあるというか。黒か白かではなく、グレーのような。

『龍が如く5』や『ヒットマン アブソリューション』では、こんな展開になるのかという驚き、ここまでやるかという印象があったのだが、『メタルギア ライジング リベンジェンス』では、架空の世界ならではの難しさがあるのも分るが、だからこそ、より作りこんだ世界が必要なのだろうが、正直、意外な展開がない。

主人公、敵にしても、強い信念、哲学が感じられないため、オトコのロマンがなく、感情移入もできない。キャラクターが、理論武装してないから、上辺だけの理由で行動しているように見え、だから、魅力が感じられない。あれだけの映像を作れるなら、もっと、キャラクターの魅力を引き出す演出は、いくらでもできそうなものだが。

特に悪いのが、敵のボス。良くも悪くも、大きな事をしでかす人物には、風格があるもので、悪者には悪者なりの魅力があるもの。ところが、大きなことをやらかしている割に、最後の戦いで語る理由が、子供のようなもの。社会問題風なキーワードを並べ立ててはいるが、よくよく聞いてみると、論点がズレたり、大した話ではない。

動機としては、根底にあるのはシンプルな欲望なのは間違いないのだが、あまりにも率直で。もう少し、カッコがいい言い回しはできないものだろうか、少なくても、このゲームはCEROレーティングでは、17歳以上対象と大人向けなのだから。

かなり期待していた作品だけに、厳しいことばかり書いてしまったが、大人の渋さのようなものがどこかに欲しかった。戦いありきではなく、結果として対立が不可避というものがあれば、もっと重みがあるストーリーになったんじゃないだろうか。

『龍が如く5』では、戦わざるを得ない男の生き様、『ヒットマン アブソリューション』は、殺し屋らしい、選択の余地のない迷いのなさがあり、キャラクターに対する違和感もなく、遊べたのだが。

次回、『爽快感があるメタルギア ライジング リベンジェンス 5.ゲームとしての感想』に続く。


   


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