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思うところも多い 映画・ドラマ・バラエティ 15.ジャッキー・チェンの映画 ラスト・ソルジャー 戦国時代を舞台に、明るくも渋い物語が良く [印象に残る 映画・ドラマ・バラエティ]

久しぶりに、これは面白いと感じたのが、ジャッキー・チェン 主演の『ラスト・ソルジャー』。ジャッキー・チェンが、20年間、構想を温め続け、中国・香港合作映画として、2010年に公開されたもの。

物語は、紀元前227年、中国の戦国時代が舞台。梁と衛の二つの国が争い、梁の戦に駆り出された兵士が、衛の将軍を捕まえたことから始まり。将軍を捕虜として、褒美の土地と金を目当てに、梁まで連れて行くという話。

兵士が、ジャッキー・チェンで、主人公なのだが、道中、山賊のようなものに襲われたり、敵の追っ手があったり様々なことが起こる。張り詰めた緊張感の中にも、愉快なコメディさもあり、奇想天外なもの。

ただ、陽気で明るく、痛快な話ではなく、その世界が感じられるような 渋さもあり、展開も早いため、惹き付けられる面白さがある。凄味のある登場人物でも、ちょっとコメディなシーンがあるのだが、それが、やり過ぎないため、キャラクターとしての強面のイメージを崩さず、人間味があり。

主人公の状況は、報われない悲しさのようなものがあり、暗くなるのが当選なのだが。あえて、明るく陽気に振舞うところに、複雑な思いも感じられる。欲への執着はあるものの、多くを望まないささやかさがあり、そこに主人公の境遇も垣間見える。

ジャッキー・チェンというと、主演映画の数も多く、陽気なアクションスターというイメージだったのだが。この作品では、明るさの中に悲しみもあり、他の登場人物のような派手な戦いぶりとは違い、逃げることが多く、そこが意外で新鮮でもあり。

生きるために逃げるという姿が、妙にリアルに感じられる。様々な連中が、命がけで戦う中、迷いながら、逃げる姿に味があり、戦うのか逃げるのかという気持ちの迷いも伝わって来る。

脱走兵なため、恥ともさげすまれるのだが。生きるために何でもやる 主人公も、最後は、生きてさえいれば、何でもいいということではなく、譲れないものがあるのが分かる。

この物語では、善悪と単純に分けられるようなものでもなく、どのキャラクターにも事情がありつつ、多くは語らず。その雰囲気が、押し付けがましくなく、考える余地もあるため、いろんな見方もできる。

1時間半の映画で、2回、観たところ、2回目で、何気ない会話で、これを言っていたのかと気が付くことも多く、複雑さもあるため、展開が分かっていても、面白い。エンターテイメントさはありつつも、権力者に巻き込まれる人々の思いを伝えているような、そんな印象もある。

この映画、中国で公開されたジャッキー・チェーン主演映画の中で、歴代最高の興行収入を記録したという話もあり。もしかすると、映画の内容は、現代の中国社会にも通じるものがあるのかもしれない。





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