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役に立つ本を読む 16.専門家の話も、どうなのかと考えたくもなる本 もうだまされない! 「身近な科学」50のウソ [役に立つ本を読む]

『もうだまされない! 「身近な科学」50のウソ 原発、エネルギー、環境、健康知識のホント』という本があり、当たり前のように語られている事が、ちょっとおかしいんじゃないかと気づかせるような内容で、著者は、テレビ番組『ホンマでっか!?TV』に出演している工学者 武田邦彦。

東日本大震災が発生した年、2011年の12月に出版された本で、原発事故についても、様々な情報がウソであり、これがホントじゃないかと書かれている。これが、批判を恐れず、はっきりと書かれており、そこに凄さがある。

科学的な難しいテーマを扱いながら、非常に読みやすく書かれており。曖昧な言葉ではなく、実際は、こうじゃないかと断言するため、分かりやすくもあり、言われてみればと感じるところに面白さもある。

ジャーナリストなどが問題を指摘すれば、専門家ではないことで、軽く見られがちだったり、逆に、変に難しく書かれていたりもするのだが。著者が、実績がある学者でもあり、テレビ番組でも、お馴染みで顔が分かるだけに、説得力もありそうな。

この本の中で触れられていたことで、学者側の事情とうのも興味深く。昔は、多額の補助金が安易にもらえ、それを遊びのために使い込む 不真面目な学者もおり。それがマスコミに叩かれたことで、世の中の役に立つ研究に補助金を出すよう 厳しく審査するようになったとあり。

これが、一見、良さそうな話にも聞こえるのだが、そうでもないようで。研究のために研究費を稼ぐ必要があり、補助金が出るか出ないかは、死活問題なため、政府の顔色を窺うことになり。そこで、背に腹は代えられず、国や電力会社の都合のいいことも言わなければという話に。

学者というと、信念を持って、地道に研究を進めるような イメージがあるのだが。研究に費用がかかるものでは、補助金に振り回されることになるというのも理解できる。そもそも研究段階で、どれほど役に立つかも分かり難いものらしく、そこに難しさもありそうで。

科学的な話でウソなものというのも、全く違う話では詐欺のようになるため、伝え方で捻じ曲げたり、判断材料としての情報を減らすことで、都合のいい結論に誘導したりと様々。これも、想像力を働かせれば、妙だなと感じることもできそうで、この本では、そういう考え方を伝えているところもある。

専門家だから、話していることは間違いないと頭から考えるのではなく、ちょっと引いて、冷静に考えると、思わぬ真実が見えるのかもしれない。





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